Photo by Onda
花火師にとどかぬ拍手送りけり 青柳時子
花火師の舟は湖心の闇に在り 和田義秋
台船に花火師の影直立す 清水礼子
黒子めく花火師阿修羅のごと走り 藤井緑水
花火師の黒子に徹しゐる動き 浅野右橘
揚花火天の太鼓を打つごとし 古賀筑史
遠花火海のかなたにふと消えぬ 素逝
岬ひとつ越して揚がりし花火かな 黒島孤礁
星一つ残して落つる花火かな 抱一
遠花火一呼吸して爆ぜにけり 黒島孤礁
駆け昇る火の脚速し大花火 山本一子
宵々の花火になれて音をのみ 虚子
人と逢う胸の高さに遠花火 藤木倶子
遠花火窓に見し夜の別れかな 小坂順子
子がねむる重さ花火の夜がつづく 多佳子
手花火を命継ぐ如燃やすなり 石田波郷
ねむりても旅の花火の胸にひらく 林火
花火あがるどこか何かに応へて 綾子
花火盡(つき)て美人は酒に身投げけん 几董
手花火のほのかに浮かぶ母の顔 谷端稔子
暗く暑く大群衆と花火待つ 西東三鬼
花火待つ見知らぬ人と話しつ 清水多恵子
行きずりの人に声かけ大花火 黒島孤礁
花火待つ人の影濃き橋の上 吉野秀子
物干場人鈴なりに遠花火 西島わか
河川敷人ひしめきて花火待つ 中村敏夫
わずか十七文字に描写された心象・風景の”小宇宙”。 俳句は、花火同様、日本が世界に誇れる芸術だと思います。 さあ、皆さんも気楽に俳句を作ってみてはいかがですか?
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