4月、社長(製造業者)から工室での作業の説明を受けます(保安教育)。
鈴木順平さん(熟練者)から”星掛け”の説明を受けて(保安教育)、実際に作業を行います。
7月、小野寺さんの指導(保安教育)のもと、打ち上げに使う玉に打ち上げ火薬とロングヒューズを取り付けます。
11月、こちらは花火打ち上げに行く前の準備作業の様子です。
2001年4月、芳賀火工にも新入社員が来ました。花火会社は一般企業とは違い火薬類を取り扱うので、
火薬類取締法に従い花火師としての仕事を始めていきます。
法律用語では社員教育は”保安教育”新入社員は”未熟練者”と称されています。そしてこの”保安教育”
の内容は会社ごとに作られた、火薬類の災害の発生を防止することを目的とする”危害予防規程”により細かく定められています。
それではYoshie(未熟練者)さんの1年間の花火師修行風景をご覧ください。
静電気の発生しにくい綿の作業服と防塵マスク、ゴム手袋を着用します。
同じ大きさに星を揃えるため、水と火薬の量を加減します。
このさじ加減は経験年数を積んで、体で覚えるしかありません。
6月、星切りの作業を小野寺さん(熟練者)から教わります。
均等に切断するには熟練の技が必要です。
煙火の消費(花火の打ち上げ)に関しては、この月に保安講習会を受けで現場にのぞみます。
最近では事前に工場でセットして現場に向かう傾向が増えています。
8月、打ち上げ用のコンピューター端末にうまく接続されているか最終チェックです。
夜の作業なのでみんな(夏季繁忙期従業者)でライトで手元を照らして応援します。
先輩のあすかちゃん(熟練者)が火薬を計量する助手をします。
打ち上げる全ての筒に火薬を正確に計量しないと危険ですので作業は慎重に行います。
この日はベガルタ仙台のJリーグ昇格祝いに仙台スタジアムで花火を打ち上げました。
打ち上げ前に点火器の最終チェックを行います。
こちらは12年先輩の僕(幹部従業者)です。
打ち上げはすっかり後輩にまかせているので、現場では消火と警備を担当するはずが・・・・。
スタジアムの柵にしがみついてベガルタ仙台の選手を見ていました(^^ゞ
花火師の1年はこの保安教育・実務の繰り返しで、仕事を覚えていきます。
その合間に定期的に講習会を受け、国家資格を取得して火薬の取り扱いに関しての知識を深めていきます。
しかし、全ての仕事がそうですが、知識だけで仕事はこなせません。
特に、物を創り・夜空のキャンバスに描く”創造的”な仕事である以上、身体でコツを会得するしかありません。
それには、まず先輩方の”技”を身に付けることと、誰にも負けたくないという”向上心”を常に持つことです。
全国の先輩達が歩き、目指し、到達した、途切れることのないこの”煙火の花道”を、今まさに歩き始めたのが私達なのです。